オーラルケアの重要性を徹底解説!セルフケアのおすすめグッズや手順まで紹介!

オーラルケアとは、毎日の歯磨きや歯科医院で専用の機械を使って歯の汚れを落とすなど、口腔内を清潔に保つためのケアの総称です。

歯と歯の間や歯と歯茎の間に白い汚れ(歯垢・プラーク)が残っている、歯が全体的に黄ばんでいる、歯茎が赤く腫れていて歯磨きの際に出血する、口臭がある、口の中がネバネバする、舌の表面に白い苔のようなものが付いているなどの場合は、適切なオーラルケアができていない可能性が高いです。

毎日歯磨きしているつもりでも、何も考えずにただ磨くだけではオーラルケアが不十分になりやすいので、汚れが溜まりやすい場所や適切な歯ブラシの使い方など、ポイントを抑えた正しい歯磨きが大切です。

厚生労働省の”健康日本21″に含まれる歯の健康の指針には、80歳まで歯を20本残すために歯の喪失や乳児期〜学齢期の虫歯、成人期の歯周病予防が掲げられており、その対策のすべてに口腔内のセルフケア能力の向上と、歯科医師や歯科衛生士による定期的な歯石除去や歯面清掃と予防処置を合わせて行うことが重要と記されています。

とても重要な役割を担っているオーラルケアですが、どのようにすれば良いのでしょうか?
重要性やセルフケアのおすすめグッズ、手順までを徹底解説します。

オーラルケアとは?


オーラル=「口腔」、ケア=「手入れする」という意味で、歯だけではなく歯肉や舌などの口腔内全体の掃除や管理のことです。
歯磨きを中心に自分で行うケアと、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行う専門的なケアがあります。

虫歯や歯周病などのリスクは人によって異なります。
唾液の分泌が少ない方や口呼吸をしている方は口の中が乾燥しやすく、虫歯や歯周病の原因菌などの細菌が繁殖するリスクが高いです。
また、虫歯菌が多い人は虫歯リスク、歯周病菌が多い人は歯周病リスクが高いなど、元から持つ要素に左右されます。

自分が持つリスクを知ってオーラルケアを日頃から正しく行うことは、歯の喪失を予防して食事機能を維持するために不可欠です。
食事ができないと栄養が足りなくなって身体の機能も落ちていき、口の中の健康だけでなく全身の健康に影響します。

寝たきりや身体の不自由な方や高齢者はオーラルケアが疎かになる場合がありますが、口の中が不衛生になると食事や会話がしにくくなったり、誤嚥性肺炎を引き起こしたりすることもあります。
口を清潔にすることで口腔機能の維持・回復と、それに伴う食事機能の向上により低栄養の防止や免疫力向上が期待できます。

毎日のオーラルケア

歯ブラシやフロスを使った歯磨きを基本として、虫歯や歯周病などの予防効果があるマウスウォッシュや歯磨き粉を併用します。

歯ブラシだけで汚れを落とせるのは全体の60%で、フロスや歯間ブラシを併用しても最大90%ほどです。
また、自分の歯磨きに自信のある方の80%に磨き残しがあります。

セルフケアだけでは不十分なので、定期的に歯科医院でオーラルケアを受けることが望ましいです。

歯科医院で受けるオーラルケア

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)という専門的な機械を使用した歯のクリーニングで、歯科医師または歯科衛生士が行います。
スケーリング(歯石除去)と歯面研磨を指しますが、歯磨き指導やフッ化物塗布による虫歯予防歯周検査を合わせて行うことがあります。

PMTCは歯の汚れを落とすだけでなく、歯の表面をツルツルにして色や汚れを着きにくくする効果があります。

また、口にどのくらい虫歯や歯周病菌がいるのか、唾液の量の多少を検査してもらうこともできます。
検査結果や歯と歯肉の状態を観察して、リスクと対策をアドバイスしてもらうと良いでしょう。

オーラルケアを行わないとどうなる?


プラークは食べかすとは違い虫歯や歯周病菌などの細菌の塊で、食後8〜48時間で形成されます。歯がザラザラした感じがしたらプラークが定着したサインです。

3日目からプラークは唾液中のカルシウムと反応して歯石になり、セルフケアでは落とせなくなります。
プラークが固まる前に、最低でも1日2回の朝晩は食後の歯磨きを欠かさないことが大切です。

歯石の表面はザラザラして新しいプラークが付着しやすく、さらに虫歯や歯周病になりやすい環境を作ります。

虫歯になる

虫歯は細菌感染症です。
生まれたときは虫歯の原因菌を持っておらず、他人と同じ食器を使うことなどにより虫歯菌が感染します。

食事をすると虫歯菌の影響で口の中が酸性に傾き歯の脱灰が起こり、目に見えないくらいですが歯が少しだけ溶けた状態になります。
通常は唾液と中和されて歯の脱灰が止まり、溶けた歯は元に戻ります。これを歯の再石灰化といいます。

虫歯菌は食べ物や飲み物に含まれる糖分を基に酸を作り出して歯を溶かし、糖分が多く含まれる飲食物からはより多くの酸を作ります。

原因となる食べかすやプラークが残っていると脱灰が続き、歯に穴が空いて虫歯になるので、プラークを除去することが虫歯予防に大切です。

歯周病になる

歯周病も虫歯と同じ細菌感染症です。
歯周病菌によって歯肉が赤く腫れて出血し、進行すると歯を支えている骨が溶ける病気です。
歯周病菌が骨まで到達すると、歯が大きく揺れて噛めなくなったり抜けたりする原因になります。

プラークが溜まるとさまざまな菌が集まって細菌の層を作ります。
歯周病菌は酸素に弱くプラークや歯肉の中を好むため、オーラルケアをしてプラークをできるだけ溜めず、歯周病菌が生きやすい環境を作らないことが予防に繋がります。

口臭が起こる

口臭の原因はさまざまですが、オーラルケアを怠って歯や舌の上に汚れが溜まると口臭が発生します。
虫歯や歯周病でも口臭は起こりますが、いずれも細菌の活動によりプラークや食べかすが発酵・腐敗して悪臭のガスを発生させることが原因です。

食事・会話がしづらくなる

特に高齢者はオーラルケアを怠ると口の中が乾燥して痛みが出ることがあり、食事中の咀嚼や飲み込みが悪い、または会話がしづらい場合があります。

呼吸器疾患になるリスクが高まる

誤嚥性肺炎が代表的で、口の細菌が食べ物や飲み物と一緒に食道ではなく気管に入ることで起こります。

通常はむせるので誤嚥しにくいですが、喉の機能が低下している場合、そのまま気管から肺へ流れてしまうことがあります。

免疫力が低下した高齢者は誤嚥性肺炎で亡くなる場合もあり、口の中が不潔で細菌が溜まっているとリスクは高くなります。

オーラルケアに掛かる時間


自宅でのオーラルケアは、歯ブラシとフロスやマウスウォッシュを併用しても1回あたり10分以内です。
1日でかける時間をすべて足しても30分掛からずに終わります。

歯科医院でPMTCなどのオーラルケアを受ける場合は30〜60時間ほどです。
プラークと歯石の付き具合やケアの必要性に応じて変わり、汚れが多かったり歯周病になっていたりすると時間や回数が掛かります。

オーラルケアに掛かる費用


歯科医院でのオーラルケアは、保険適応なら全顎で約3,500円自費診療なら約5,000〜30,000円です。

基本的には歯周病と診断されると保険適応になり、治療の一環として行われます。
自費診療のクリーニングは費用が掛かりますが、時間を十分に取れるため1回で全顎のクリーニングと歯の表面にある着色汚れまで落としてくれるなど、審美的にも満足できるメリットがあります。

自宅でのオーラルケアは数百円から可能です。
歯ブラシやマウスウォッシュなどのオーラルケア用品は比較的安価で、高価なものでも1,000円ほどです。

電動歯ブラシは高速振動や音波振動により、正しく使えば通常の歯ブラシより効率良く歯の汚れを落とせます。価格は数千円、高価なものは3万円以上するものもあります。
替えブラシが手用歯ブラシより高価な場合があるので、メーカーによっては高い初期投資とランニングコストが必要です。

オーラルケアにおすすめのグッズ

歯ブラシ

オーラルケアの基本になるもので、口全体を磨くために毎回使用します。

さまざまな形や毛の大きさや硬さがあり、自分の歯や歯肉の状態に合わせたものを選ぶと良いでしょう。

タフトブラシ

普通の歯ブラシよりも小さいのが特徴で、補助的にピンポイントで細かい部分を磨くための歯ブラシです。

口全体を歯ブラシで磨いた後に、歯並びが凸凹していたり歯が重なったりして磨きにくいところに使用します。

歯間ブラシ

歯と歯の間を磨くためのもので、毎回使用するのが理想的です。

歯ブラシが届きにくい歯と歯の間の根元にある隙間のケアに適しており、さまざまな形や大きさがあるので、隙間の大きさに合わせてブラシを選びます。

隙間より大きい歯間ブラシを無理に使うと歯肉を傷つけてしまうので、スムーズに入らず痛い場合は小さいサイズかデンタルフロスを使いましょう。

デンタルフロス

歯と歯の間を磨くためのもので、毎回使用するのが理想的です。

持ち手が付いているか、指にフロスを巻き付けて使うタイプがあります。
歯と歯の間の隙間の大きさに関わらず使用でき、虫歯や歯周病予防に最適です。

舌ブラシ

舌の表面の清掃に使います。
歯ブラシでも対応できますが、舌ブラシの方が毛の密度が濃く、柔らかくて舌を傷つけにくいです。

強く擦ると舌を傷つけたり、舌表面が炎症を起こして口臭が悪化したりするので、歯磨き粉を付けずに優しく舌を撫でて汚れを落とします。
舌が傷つくと味覚が感じにくくなるなど、悪影響を与えることがあります。

マウスウォッシュ

歯磨きと舌の清掃を一通り終えた後の仕上げか、歯ブラシの前に歯磨き粉の代わりに使うものがあり、プラークや歯石の沈着・虫歯や歯周病・着色予防など、さまざまな種類があります。

歯磨きができないときにマウスウォッシュでうがいするのも良いですが、歯に付いたプラークなどは粘着性があり取れないので、あくまで歯ブラシの補助として使いましょう。

スプレー

歯磨きができない場合に爽快感や口臭予防効果を期待して使います。
食べかすやプラークなどの汚れは除去できないため、歯ブラシの代わりにはなりません。

キシリトールガム・タブレット

歯磨きができないときにガムを噛んで唾液を出すことで、虫歯や歯周病予防の効果が期待できますが、プラークは除去できず歯ブラシの代わりにはなりません。

砂糖と比べて細菌を活性化させにくい、キシリトールが入ったガムやタブレットがおすすめです。
砂糖が混ざったものもありますが、キシリトール100%なら虫歯や歯周病を起こしにくいです。

オーラルケアの方法


歯の歯の間、歯と歯肉の境目、部分入れ歯やブリッジなど、作り物の歯の下は食べかすが残りやすくプラーク溜まりやすいところです。

目的別に歯磨き粉やマウスウォッシュを併用すると良いでしょう。

虫歯予防ならフッ素入りのものを用います。
フッ素には歯から溶け出したカルシウムイオンやリン酸イオンを歯に戻す、再石灰化を促進する効果があります。
また、歯を修復して酸に強い丈夫な歯を作り、虫歯菌の活動を抑え酸を作りにくくして、食後の歯の脱灰を抑制します。

歯周病予防ならトラネキサム酸、プシロンアミノカプロン酸、β‐グリチルレチン酸、トリクロサンなどの殺菌成分が配合された歯磨き粉を用います。

着色が気になるなら、ホワイトニング効果のあるものを使います。
研磨剤で歯を削って着色を落とすものではなく、ポリエチレングリコールやポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどの薬用成分で着色を浮き上がらせるものを選びましょう。

歯を削る研磨剤成分はリン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウムなどです。
これらが入っているものは避けるのが望ましいです。

知覚過敏には乳酸アルミニウム、硝酸カリウムなどの歯のコーティング成分配合のものがおすすめです。
歯肉が下がったりエナメル質が摩耗したりして象牙質が露出した部分をコーティングするので、冷たいものがしみるなどの知覚過敏症状を抑えます。

①歯ブラシで全体を磨く

口の中全体を磨きます。
歯の噛む面・頰側・舌側に分けて、右上から左上、左下から右下のように一筆書きのイメージで磨くと、磨き残しが少ないです。

夜寝ている間は唾液の分泌が抑えられて細菌が繁殖しやすいので、食後だけでなく起床時や就寝前も磨くとより良いでしょう。

②タフトブラシで細かい部分を磨く

歯並びが凸凹して歯が重なっている部分はタフトブラシを使用します。
タフトブラシだけで口全体を磨くのは時間が掛かるため、歯ブラシと併用しましょう。

③歯間ブラシ・デンタルフロスで歯と歯の間を磨く

歯ブラシだけで歯と歯の間は磨けないので、歯間ブラシかデンタルフロスを併用しましょう。

毎回の歯磨きで使用するのが理想ですが、難しければ1日1回就寝前だけでも使用しましょう。

④舌ブラシで舌の上を磨く

舌ブラシか普通の歯ブラシで、舌の上を奥から手前に向かって優しく撫でるように動かします。

汚れが溜まっていたり舌の上が乾燥していたりすると1回では取れませんが、毎日続けることで徐々に薄くなっていきます。
一度に取ろうと強く擦るのは逆効果です。

⑤マウスウォッシュでうがいして仕上げ

歯磨きが終わったらマウスウォッシュでうがいをして仕上げましょう。
薬用成分により虫歯や歯周病などを予防してくれます。

⑥歯磨きできないときはスプレーやガムで対応

仕事中など歯磨きできないときは、スプレーやガムなどを使って口臭を予防できます。
あくまでエチケットとして考えて、家に帰ったら歯磨きをしましょう。