ワイヤー矯正(ブラケット矯正)の特徴と注意点

矯正と聞いてまず思い浮かべるのは、笑ったときに歯にワイヤーが着いている様子ではないでしょうか?
ワイヤーやブラケットなどの装置を着けて歯並びを整える治療は、一般的に“ワイヤー矯正”と呼ばれます。

矯正歯科の歴史は古いです。歯や顎の形などの研究は古代ギリシャ時代から行われており、矯正器具も見つかっています。
歴史が長い治療法なので、蓄積された症例に基づくエビデンスがあります。

ワイヤー矯正の基になったのは、歯に金属ベルトを巻いてからブラケットを溶接する“エッジワイズ法”です。
その後、歯に直接ブラケットを着ける“ダイレクトボンディング法”が確立され、装置も小さく透明なものになるなど進化しています。

歯は食べ物を細かく砕いて消化しやすくする役割がありますが、食べること以外にも発音や表情を作る、体の姿勢やバランスを保つ、物を噛むことで脳に刺激を与えるなど全身の健康に影響を与えます。
歯並びを整えて良い噛み合わせを作ることは、見た目の美しさと健康を両立すると考えられています。

ワイヤー矯正とは


ワイヤー矯正とは歯にワイヤーやブラケットなどの装置を着けて歯を動かす、最もメジャーで治療実績が多い方法です。
素材は金属やプラスチック、セラミックなどがあり、歯の表側か裏側にワイヤーを着けます。

通院は基本的に月1回以上で、歯科医院でワイヤーを交換してもらい歯並びを整えます。

メリット

ほぼすべての症例に適応できることです。

噛み合わせや骨格に大きなズレがあるような場合、歯並びを改善する難易度は高くなります。
矯正治療には透明なマウスピースを使う方法もありますが、症例の難易度が高いと治療の適応にならないことがあります。

歯に装置を固定するので、歯科医師にワイヤーの調整をしてもらえば歯は自動的に動きます。
食事や飲み物を飲む際に外さなくて良いので、マウスピースの洗浄や管理の煩わしさがありません。

デメリット

装置が目立つ

ワイヤー矯正は歯に装置を接着するので、歯の表にワイヤーを着ける場合は目立ちます。
一度着けたら好きなときに自分で着け外しができないので、見た目が気になる方にとって大きなデメリットです。

透明や白い色の目立ちにくいブラケットやワイヤーを使うか、歯の裏側に装置を着ける方法を選ぶなど、装置を目立ちにくくする工夫はできます。

違和感や不快感がある

歯に着けたワイヤーに慣れるまで食事がしにくい、ワイヤーやブラケットの端が口の中や唇の端に当たって痛いなど、違和感や不快感があります。

歯科医院に定期的に通院しないと、治療が進まない

通院は月1回以上必要です。
定期的に通院して、歯科医院でワイヤーを交換してもらわないと治療が進みません。
仕事などでなかなか時間が取れない方は、治療期間が延びる原因となります。

緊急処置が必要になることがある

ワイヤーやブラケットが外れたり装置が口に当たったりして痛いなどの場合は、歯科医院で緊急処置をしてもらう必要があります。
定期的な通院は月1回が原則ですが、緊急処置を含むと通院の頻度は上がります。

口腔ケアの徹底が必須

ワイヤーを着けると歯磨きが難しくなります。
歯ブラシに加えてワンタフトブラシ、虫歯や歯周病予防効果のあるマウスウォッシュを併用するなど、口腔ケアを徹底しないと虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。
歯並びを綺麗にしても、虫歯や歯周病になってしまうと非常に残念です。

金属アレルギーの方は避けるのが望ましい

歯を動かすためのワイヤーには金属が使われています。
白くコーティングされたワイヤーもありますが、食事や歯磨きの際にコーティングが剥がれることがあるため、金属アレルギーの方は避けるのが望ましいです。

目立ちにくいワイヤー矯正

装置が目立つことが難点ですが、見た目が気になる方は、装置を着ける位置やブラケットやワイヤーの種類を変えることで、できるだけ装置を目立たなくできます。

歯の裏側に着けるワイヤー矯正

舌側矯正や裏側矯正と呼ばれ、歯の裏側にワイヤーを着けるので目立ちにくいのが特徴です。
歯の表に着けるワイヤー矯正よりかかる力が少ないので、矯正治療の期間は通常の矯正と比べて同じか少しだけ長くなる傾向があります。

歯の裏に複雑な装置が着くので、口腔ケアの難易度はワイヤー矯正の中でも格段に高くなります。口腔ケアができないと虫歯や歯周病のリスクが大きくなります。
また、歯の裏側は舌がよく触れる場所なのでワイヤーで傷つきやすく、装置の違和感が大きいです。ワイヤーに慣れるまでは舌の動きが制限されるので、喋りにくさも感じます。

透明なブラケットを使ったワイヤー矯正

ブラケットには透明なプラスチックや歯と同じ色のセラミックからできたものがあります。歯科医院によっては“審美ブラケット”と呼ばれます。
また“ホワイトワイヤー”と呼ばれる、金属の上から白くコーティングしたワイヤーもあります。

装置が透明や白色であれば歯の色に馴染むので、金属ブラケットやワイヤーを使うより目立たなくなります。
使う装置は歯科医院により異なるので、審美ブラケットやホワイトワイヤーを希望する場合は事前に確認しましょう。

歯が動く仕組み


歯は生体反応を利用して動かします。
歯並びを整えるために歯を動かすのは身体にとって悪いことではありません。

歯が動くときに身体に起こること

1.歯は周りを骨(歯槽骨:しそうこつ)に囲まれているので、基本的にはあまり動きません。
生理的な動揺はありますが目に見えないくらいです。
2.装置で継続した力を歯に加えると身体が歯に力が掛かることを異常だと認識し、歯を動かして力が掛からない所に逃がそうとします。
3.歯を動かすために「破骨細胞」歯の周りの骨を溶かします。
4.異常な力が掛からない場所まで歯が動ききると「骨芽細胞」が歯の周りに新しい骨を作るので、再び歯が動かない状態になります。

矯正は痛いのか?


矯正中に95%の人が痛みを感じています。
歯が動くときに痛みを感じる物質(プロスタグランジンE2)が作られるので痛みが出ます。

違和感や締めつけ感がある、歯が浮く感じがする、食事の際にじんじんするなど、痛みの感じ方はさまざまです。
選択する装置や矯正医の知識や経験で痛みを軽減させることが可能です。

矯正治療は年単位の長い時間が掛かります。
本来は歯並びを綺麗にするための前向きな治療のはずなのに、痛みを我慢しすぎてモチベーションが下がると辛いだけの治療になってしまいます。
痛いと感じたら無理をせずに矯正医に相談しましょう。

ワイヤー矯正の期間と費用


自費診療のため、期間と費用は症例の難易度や歯科医院により異なります。
重度の症例で上下の顎の大きさや位置などに異常があり、顔面の変形や噛み合わせの異常を起こす「顎変形症」と診断された場合は、健康保険および高額療養費制度の対象になることがあります。また、子どもの矯正は医療控除の対象です。

期間

全体矯正の場合は平均2〜3年です。
部分矯正なら1年以内で完了する場合もあります。

費用

全体矯正の場合は平均80〜120万円です。
症例の難易度と選択する装置によって前後します。

金属のブラケットとワイヤーを使うものが一番リーズナブルです。
金属より目立ちにくい透明なプラスチックブラケットと白いセラミックブラケットやワイヤーを使う、または舌側矯正を希望すると費用が1.5倍以上高くなる傾向があります。

治療の難易度が低いか矯正の後戻りを治療したい場合は、部分矯正なら30万円から治療可能です。
気になるのは前歯の傾きだけで部分矯正で治したいと思っても、前歯を治すためには奥歯も動かす必要があるなど、診断によっては部分矯正が適応されない場合があります。

支払い方法

支払い方法は一括で支払う“トータルフィー制”か、基本料金と毎回の通院や新しい装置を使う度に代金を支払う“調整料制”があります。
調整料制だと料金総額の見通しが立ちにくいのが難点です。

ワイヤー矯正中の歯磨きのコツ


矯正中はワイヤーが邪魔をして歯が磨きにくくなるので、汚れが溜まりやすいところや歯ブラシの当て方など、歯磨きの要点を押さえることが非常に大切です。

歯の汚れが溜まるところ

主に歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目、ワイヤーの下や装置の周りに溜まりやすいです。

歯ブラシの当て方と動かし方

ブラケットを中心に「1.ブラケットの上、2.歯ぐき側、3.歯の先端」と歯を3分割して磨きます。
歯ブラシは、上下からブラケットに向かって斜めに当てると良いでしょう。

歯ブラシは1〜2mmほどの小刻みなストロークを意識して横方向に動かすと、ワイヤーの下の汚れまで落としやすいです。
ブラケットやワイヤーの隙間に歯ブラシを入れ込むイメージで磨きます。

歯磨きを助ける補助アイテム

より細かい所まで磨くなら全体を歯ブラシで磨いた後に、ワンタフトブラシや歯間ブラシをポイント使いします。

歯ぐきと歯の先端の上下2方向からワイヤーの下にブラシを潜り込ませたら、歯と歯の間に当てて1〜2mmほどの幅で小刻みに動かします。
食べ物が挟まったときは、歯ブラシの先端やワンタフトブラシや歯間ブラシでワイヤーの下からかき出すようにして磨きます。

目立ちにくい矯正なら、マウスピース矯正のスマイルトゥルー

マウスピース矯正とは

透明で着け外しのできるマウスピースを1〜2週間ごとに交換して歯を動かす矯正方法です。
歯に米粒大の白いアタッチメントを着けますが、マウスピースが透明で目立ちにくく痛みの少ない矯正方法として支持を得ています。

マウスピースのメーカーはさまざまで、全体矯正が可能で適応範囲が広いものや部分矯正を中心にリーズナブルかつ短期間で治療が終わるものなどがあります。
スマイルトゥルーは前歯だけ治したいなど、部分的な矯正に適したマウスピース矯正です。

ワイヤー矯正と比べて痛みが少ない

マウスピース矯正はコンピューターで治療後の歯並びを事前にシミュレーションします。
1枚のマウスピースで歯を動かす量を少しずつ一定になるように設定するので、ワイヤー矯正と比べて痛みが少ないです。

緊急処置の必要がほぼ無い

治療中の歯の動きを正確にするために米粒大の白いアタッチメントを歯に着けますが、小さいのであまり目立ちません。また、マウスピースでカバーされるので口の中や唇の端に当たって痛むことが少ないです。

もしアタッチメントが外れるなどの問題が起きてもワイヤーやブラケットを着けていないので痛みが無く、歯科医院で緊急処置が必要になるような事態になりにくいメリットがあります。

歯磨きがしやすい

マウスピースは着け外しができて歯磨きなどの口腔ケアがしやすいので、ワイヤー矯正に比べて虫歯や歯周病のリスクが抑えられます。

食事がしやすい

食事のときにマウスピースを外せるので食べ物が装置に挟まりにくく、ほとんどいつも通りに食事できます。

金属アレルギーの方も治療できる

マウスピースには金属が含まれないので、金属アレルギーの方も治療を受けられます。

矯正にかかる期間と費用が明確

スマイルトゥルーは予知性が高いシミュレーターを使用するので、歯並びの状態によって変わる期間と費用を明確にできます。
そのため「治療を始めてみたら、想像以上にお金がかかった」などの不安を事前に解消できます。

また、治療後の状態を確認してから治療ができるのでどのくらいの期間でどのような歯並びになるのかをイメージしやすいです。
治療期間は比較的短く、軽度な症例なら3ヵ月で改善できる場合もあります。

マウスピースを作るための型取りは1回だけ

マウスピース矯正は使用するメーカーによって通院の度に型取りが必要なことがあり、多いメーカーだと2週間に1回です。
スマイルトゥルーは型取りが初回のみで良く、患者の負担を減らせます。

歯科医院によっては、型取りの際にカメラを使って口の中をスキャンする方法を導入しているところもあります。
大きいトレーと粘土を口に入れて型取りをする方法が苦手な方も、カメラを使った方法なら比較的楽に型取りができます。

マウスピースのデザインはアメリカで、製作は日本で

型取りをしたデータを基にスマイルトゥルー本部のあるアメリカで、専門チームがソフトウェアを使用してマウスピースをデザインします。その後、マウスピースは歯科技工士によって日本で作成されます。
スマイルトゥルーのマウスピースは、世界基準かつ安心の日本製という確かな品質です。

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