スマイルトゥルーのコンセプト、これからのマウスピース矯正について【SmileTRU Japan株式会社代表取締役×Smile Teeth 山本 スペシャル対談】

近年、注目度がますます増加しているマウスピース矯正。今回は米国発のマウスピース型矯正装置「スマイルトゥルー」を提供しているSmileTRU Japan株式会社 代表取締役 石川善章(以下、石川社長)と、Smile Teethを運営するデンタルネットワーク株式会社 代表取締役であり歯科医師の山本伸彦(以下、Smile Teeth 山本)がスマイルトゥルーのコンセプト、他のマウスピース矯正にはない特徴、これからのマウスピース矯正について語り合いました。
マウスピース矯正は最近流行っていますけれども、まずはスマイルトゥルーのコンセプトについてお話ししていただければと思います。
スマイルトゥルーは、米国の歯科矯正医Dr.J.W(Skip)Truitが監修・開発したマウスピース型矯正システムです。
もともと Dr.J.W(Skip)Truitは本格矯正を教えているような方でした。けれども時代の流れもあり、マウスピース矯正を取り入れた方が患者さんのニーズがあるということで、さまざまな改善点を見つけながら作り出したのがスマイルトゥルーです。
その根底にあるのは
ただ、国内に持ってきたときは、歯並びを治したい人は多くいるけれども、目立つ針金をつけなきゃいけない、高い、痛いなどネガティブなイメージがどうしても強かったですね。
ありがとうございます。一応CFOOというアメリカの団体について簡単にお話しすることは可能でしょうか?
CFOOというのは、CLINICAL FOUNDATION FOR ORTHOPEDICS & ORTHODONTICSの略で、
CFOOもスマイルトゥルーと同じようなコンセプトがありまして、多くの患者さん、特にお子さんを救ってあげたいという思いがあります。子どもの歯医者の入り口は一般歯科の先生で、はじめから矯正歯科に行くことはほとんどないと思うんですね。一般歯科の先生が見て、「これは矯正が必要だね」と思って紹介してくれればいいのですが、そこに気付かずにそのまま大人になって矯正治療をするとかなり複雑になってしまいます。加えて、上顎の成長不足で顎が小さいなど、成長が足りないことによって血流が悪くなったり睡眠不足になったり、無呼吸になってしまったりさまざまな症状が出ます。
やはり正しい成長・発育をすることで子どものポテンシャルはもっと引き出せる。
確かに一般の歯科医も、本当に矯正が必要かどうか診断できないといけないが、現実的にそういう知識を持っている人はなかなかいないですね。
またどんなに優れた技術を持っていても診断を間違えてしまうと悪くなってしまいます。この患者さんはどうすべきなのかというのをちゃんと見れる
スマイルトゥルーは誰でもできるものですか?例えば、子供から高齢な方に加えて、症状の適用に関してお話しいただければと思います。
まず、誰でもできるものではありません。これはマウスピース矯正、ワイヤー矯正はそれぞれ適した治療がありますので、
そのため、適用に関してはかなり狭めています。年齢においては小児は適用外です。基本的には成人してからの矯正治療で、具体的には、親知らず以外の7番までの歯が完全に生えている状態、なおかつ骨格の成長(身長)が止まっているような状態です。ただ上限は設けていません。
あとは軽度な症例ですね。あまりにも歯並びががたがたすぎるとか、あまりにも開咬(前歯が上下で当たらない)すぎるとか、骨格的な問題がある場合は治療は難しいです。
スマイルトゥルーは、もともと成田デンタルと言う日本でシェア1、2を争う歯科技工所がメインで立ち上げに携わっていたそうですが、その後スマイルトゥルージャパンを立ち上げるきっかけは何かあったのでしょうか?
成田デンタルと交流のある大きな技工所がタイにあるのですが、2013年にその技工所がスマイルトゥルーをアジアで請け負うようになりました。そこの技工所から日本の市場は成田デンタルでというお誘いを受けて、創設者であるスキップ先生のお話を一回聞き、これは優れたシステムだなと思いました。
もともとマウスピース矯正自体も成田デンタル内で作ろうとしていたのもあって、そんな中でスマイルトゥルーの話を聞いたらすごく良いもので。加えて、その頃はマウスピース矯正はインビザラインかアソアライナーくらいしかなかったですしね。
そうですね。今はインビザラインの特許が切れたので、各社参入してきているような状況ですね。
当時はそこまでではないのですが、マウスピース矯正というのはニーズがあり、どうにかしたいなっていう思いがあった中でスマイルトゥルーに出会ったのです。
なるほど、逆に言うと自社開発で苦労するよりも良かった?
はい。良かったです(笑)システムもついて
確かにそうですね。ですが、私の個人的な感覚なんですけど、そのDr.J.W(Skip)Truitってどんな人かは他の人は分からないじゃないですか。ドクターとして見ると僕がドクターになった時、なんでこの先生と出会わなかったんだろうって思いました。
日本人だからこそ細やかにいろんなことを考えて、患者さんのために誠心誠意尽くしていると思っていたのですが、
それを先生の口から聞くのは、われわれとしても自信にもなりますね。
ただ日本では7万軒近くの歯科医院があり、ドクターはさらにその何倍もいる中でDr.J.W(Skip)Truitから直接メッセージが届いているのは40人しかいないんですね。
そうですね。もっと広げていきたいですね。
その波を大きくできれば、また歯科業界も大きく変わっていくんじゃないかなって思います。またその知識を得た先生から発信で認知度を高めていければなとこちらでも思っています。
スマイルトゥルーの特徴あるいは他のマウスピース矯正に比べて優れている部分を教えてください。
スマイルトゥルーは診断がすべてだと思っています。マウスピース矯正は矯正治療なので、マウスピースを交換すれば治るかっていうとそんな簡単なものではないと思っています。ちゃんと事前に診断をして治せる部分と治せない部分を、適用外適用内も含めてしっかりと診断をします。
その診断を重視しているからこそ、正直でもここは治すのは難しいですよということを伝え、無理な治療はしません。これは商売で考えたら機会損失となってしまいますが、
もう一つ、スマイルトゥルーは大臼歯の6番7番は動かさないとしています。適用範囲が狭くなるのですが、基本的に大臼歯まで動かそうとするとやっぱり難しくなるんですね。
ワイヤー矯正と違ってマウスピース矯正は任意で取り外しができるじゃないですか。ゴールするには患者さんの協力が必要になりますよね。その辺りに関しての成功率、あるいは何をもって結果とするのでしょうか。
そうですね、何をもって成功というのかは難しい部分があるのですが、マウスピース矯正は患者さんのモチベーションにだいぶ左右されてしまいます。例えば装着が甘ければ動きが悪かったりしますね。そこで、
動きが甘いときは、先生の方からご連絡をいただき、実際の状態を見させていただきアドバイスをしています。例えば、マウスピースの交換が早すぎて進みすぎている場合や、歯の動きが遅れている場合は、前に戻してもう一回再スタートしましょうとか。何かあってもリカバリーができるように、サポートを充実させていただいてます。
スマイルトゥルーさん認定医の方はすごく多いじゃないですか。今のところ何人ぐらいいらっしゃるんですか?
1700名ですね。
認定を受けたドクターは全員同じレベルで出来るのでしょうか?例えば、飲食店のチェーン店は東京でも大阪でも同じ味・サービスじゃないですか。またそれ以上の期待はして行かないですし、それ以下ってこともないですよね。本来医療もその同じサービスを使った場合は、同じような結果が出なきゃいけないと思います。
結論からいうとすべて同じとはいかないですね。やはり先生方も技術者なので。例えば家を建てるにしても同じ設計だから同じようにはなりませんよね。ただ弊社の設計に差はないのですが、先生方のスキルと知識レベル、判断基準などそのあたりはやっぱり人間なので多少の誤差はあるかなと思います。
それは本質的にどんな矯正にしてもそうですよね。マウスピース矯正に限らず、例えば被せ物やセラミックでもドクターの立場から見ても差はありますね。自分が歯医者になった経緯も含めてですが、歯医者ってみんなが同じレベルでできると思っていました。
そして実際ドクターの技術レベルを誰が把握してるのかっていうと、やっぱり技工士さんなんですよ。なぜかというとドクターの仕事を見てるから。例えば、被せ物を作るときの土台の形だったり型の取り方だったり、レベルが全部わかってしまいます。だから将来的に歯医者というのは淘汰すものは淘汰していき、できる人あるいは多くの人が淘汰されないように
人の身体はその人の人生に関わることじゃないですか。だから昭和の考え方はやめて、これからは患者さんベースでその人が幸せになれるようにしたほうが良い。だから今後、数多くあるマウスピース矯正っていうのは淘汰されてくると思います。
もちろん個性が出るのは仕方ないのですが、今後そういったドクターを増やしていくためにも、それを提供する側の教育プランやセミナーなど、ドクターの横の情報共有というのがより重要になると思うのですが、スマイルトゥルージャパンさんはどうお考えでしょう。
もともとハンズオンの実習やセミナーをやっておりまして、今年やろうと思っているのがフォローアップのセミナーですね。治療中にいろんなことが起きますので、アドバンスのセミナーとして考えています。また年に一回、多くの先生との情報共有の場として症例発表会を開催しています。
スマイルトゥルージャパンはこれから将来的にどういうことをしようとしているのか、今後の展望的なものがあればお聞かせください。
恐らく他社のように爆発的に増えていくような形ではないだろうと思っているので、地道に弊社の考え方を先生方を含めて一般の方々にも知ってもらいたいと思っています。
今後マーケティング部分の展開について、何かお考えなのですか?
SNSからの発信は正直今までほとんどやってないのですが、これからはSNSを活用を考えています。例えば、矯正治療ってどういったものなのか、問題提起、医療としての知識を発信していくような形でやっていこうと思っています。
マーケティングに関しては各社さまざまですけども、正しいものは自己主張してもいいのかなと思っています。そういう部分では当社サイトも「ここってこれがすごいんだよ」ということも含めて伝えていきたいと思います。
マウスピース矯正は各社参入してきていますけれども、それぞれが落とし合うのではなくて、高め合ってきちんとしたものを患者さんに価値を提供できれば一番良いと思っています。じゃないと本当にマウスピース矯正自体が国内ではNGとなってしまう可能性があります。そこで出来ることは 各社との連携を強めてモチベーションを高めたいと思っています。
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