矯正治療でカウンセリングを受けたあとに悩むポイントのひとつは「どの矯正器具でも治せると言われたけれど、インビザラインとワイヤー矯正どっちがいいの?」という点です。
今回は、インビザラインとワイヤー矯正、どっちの装置を使うか迷っている方に向けて、それぞれの違いや特徴、選ぶためのポイントを紹介します。
・インビザラインとワイヤー矯正のどっちにするかは、適応範囲、ライフスタイル、審美性、痛み、治療期間、金額など考慮する
・優先したいポイントを整理しておくと良い
・歯科医師とよく相談してから決めることが大切
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目次
インビザラインとワイヤー矯正をどっちにするか選ぶためのポイント
インビザラインとワイヤー矯正は歯を動かすという機能は同じですが、
それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、以下の点などを考慮して選ぶと良いでしょう。
装置の適応範囲で選ぶ
インビザラインとワイヤー矯正では症例の適応範囲が異なります。
重度な症例になるほどインビザラインでの改善は難しく、理想の歯並びになるためには顎の骨を切るなど外科矯正が必要になります。
歯科医師の診断を受けて、それぞれの装置に自分の症例が適応しているか確認する必要があります。
自分のライフスタイルで選ぶ
選択する装置によって程度の差はありますが、どちらの矯正装置も口に装着して歯を動かすため、装置の違和感や痛み、装置が口に当たるなどのトラブルは避けらず、治療期間も長期に渡ります。
通院時間の確保や仕事との兼ね合いなど、
例えば、ライフスタイルを優先するなら以下のような選び方ができます。
治療中の見た目(審美性)で選ぶ
治療中の見た目で選ぶなら、
をポイントにして選びます。最も装置が目立ちにくいのはインビザラインか、歯の裏側に着けるワイヤー矯正(舌側矯正)です。
矯正中の痛みの程度で選ぶ
インビザラインは、1〜2週間に1回ずつマウスピースを交換し、歯を動かすための弱い力を加えます。そのため、力が分散されやすく痛みが少ないです。
ワイヤー矯正は、月1回のペースで強い力を加えるため、痛みが伴いやすい傾向にあります。
【関連記事】
・インビザラインが痛いのはどんなとき?痛みがでるタイミング・痛いときの対処法をご紹介
金額で選ぶ
使用する装置によって矯正費用が異なる場合があります。
全体の歯並びを治すにはどの装置を用いても100万円前後かかるのが一般的ですが、歯の表側に着けるワイヤー矯正が1番費用が安く、インビザラインや歯の裏側に着けるワイヤー矯正のように目立たない装置を使用すると費用が高くなる傾向があります。
早く治療が終わる見込みがある方を選ぶ
同じ症例でも矯正装置の種類によって治療期間が変わる場合があるため、
どの装置を使用しても全体の歯並びを直す場合は1〜3年ほどかかりますが、インビザラインとワイヤー矯正は得意な歯の動かし方が異なります。
治療前の歯並びによっては矯正装置の選択次第で治療期間が変わる場合があるので、カウンセリングの際に歯科医師に確認してみるといいでしょう。
インビザラインとワイヤー矯正の特徴を比較
インビザラインとワイヤー矯正の表側矯正・裏側矯正の特徴を以下のポイントで比べます。
※ワイヤー矯正には歯の表側につける「表側矯正」と歯の裏側につける「舌側矯正」があり、装着感や見た目などが違います。
インビザライン | 表側矯正 | 裏側矯正 | |
---|---|---|---|
適応範囲 | △ | ◎ | ◯ |
治療中の見た目(審美性) | ◯ | △ | ◎ |
装置の快適性と清掃性 | ◎ | ◯ | △ |
矯正中の痛み | 少ない | インビザラインと比べると痛い | インビザラインと比べると痛い |
通院頻度 | 1〜3ヵ月に1回 | 1ヵ月に1回 | 1ヵ月に1回 |
費用 | 80〜100万円 | 60〜100万円 | 100〜150万円 |
治療期間 | ◯ | ◯ | △ |
適応範囲はワイヤー矯正が最も多い
インビザラインは基本的に非抜歯で矯正を行いますが、ワイヤー矯正と同様に抜歯症例や外科矯正にも対応できます。また、インビザラインで改善できない症例では、ワイヤー矯正を併用する方法もあります。
一般的に表側矯正の適応が最も広いですが、どの装置をどのように使用して治療するかは歯科医師の治療方針によって変わります。
治療中の見た目(審美性)はインビザラインと舌側矯正が優れている
舌側矯正は歯の裏側にのみワイヤーを着けるため、歯の表側には何も着いておらず、矯正装置は滅多に見えません。
インビザラインは透明なマウスピースをはめて矯正するため、近くで見ても目立ちにくいです。また、自分で取り外しできるため、人前に立つときは一時的に外すなどして臨機応変に対応できます。
ただし、歯の表面小さな突起(アタッチメント)をつけるため、前歯に着く場合は多少目立つと感じることがあります。
表側矯正の装置にはさまざまな素材があり、金属だけでなく目立ちにくい白いブラケットや白いワイヤーもありますが、どうしても歯の表側に装置がついていることが分かってしまいます。
装置の快適性と清掃性はインビザラインが高い
どの装置も慣れるまでは違和感がありますが、
表側矯正と舌側矯正は装置をつけたら自分で外せないため、食べ物が装置に挟まる、装置が唇や舌に当たって違和感を覚えることがあります。
また、ブラケットやワイヤーの周囲は汚れが溜まりやすく、清掃性に劣ります。普通の歯ブラシと小さめのタフトブラシなどを併用して念入りに歯磨きをしなければなりません。
特に舌側矯正は歯の裏側に複雑な装置がつくので、敏感な舌に装置が触れて違和感を覚えやすく、歯磨きの難易度も格段に高くなります。
インビザラインはマウスピースを自由に付け外しができる代わりに紛失や破損、マウスピース装着中の飲み物などに気をつける必要があります。しかし、飲食や歯磨きがほぼいつも通りにできる点では快適性と清掃性が高く、口内の清潔を保ちやすいです。
治療中の痛みはインビザラインが最も少ない
インビザラインはマウスピースを用いて
ワイヤー矯正は月に1回のペースで矯正力を一度に加えるため、インビザラインよりも痛みが強いといわれています。ワイヤー調整の直後は、特に痛みを伴いやすいです。
通院頻度はインビザラインの方が少ない
などを行い、新しいマウスピースを数ヵ月分まとめて受け取ります。
マウスピースは歯科医師が決めたスケジュールにしたがって1〜2週間ごとに自分で交換するだけで歯が動きますが、ワイヤー矯正は毎月通院してワイヤーの調整を行わないと、歯並びが整いません。
また、ワイヤー矯正はワイヤーが当たったり刺さったりして気になるといった、歯科医院に行かないと対応できないトラブルが発生することがあります。
インビザラインは緊急性の高いトラブルが起こりにくいので、緊急通院の回数が少なくて済みます。
費用は表側矯正が最も安い
矯正は自費診療のため、歯科医院や治療前の歯並びによって費用は変わります。
治療期間は舌側矯正がやや長くなる可能性がある
全体矯正の場合は1〜3年ほど時間がかかりますが、症例により大きく異なります。
インビザラインは治療前に歯を動かすシミュレーションで、最短で治療が完了するようにコンピューターで計算できます。症例によっては治療期間の短縮が可能ですが、インビザラインは装置の取り外しが自由にできるため、患者の協力がなければなかなか矯正が進みません。その結果、治療期間は長くなることもあります。
一方、ワイヤー矯正は自身で装置の取り外しができないため、定期的に通院さえすれば患者の協力に関係なく治療が進みます。
しかし、単純に特定の装置を使用すれば治療期間が短くなるわけではありません。複数の装置を使うなどして対応した方が、効率よく歯が動いて治療期間が短くなることもあります。
【関連記事】
・上下別と一体型のマウスピースの違いは何?種類や値段について解説
インビザラインとワイヤー矯正のどっちにするかは優先したいポイントに着目
インビザラインとワイヤー矯正のどちらを選択するかは、
また、自分の理想の歯並びを歯科医師に伝え、治療のゴールを擦り合わせることが重要です。
【関連記事】
・マウスピース矯正31種類を徹底比較!あなたに最適なマウスピースの選び方も解説
まとめ
インビザラインとワイヤー矯正にはそれぞれの特徴やメリット・デメリット、適応症例などが異なります。自分の理想に対してできることとできないことがあるため、選ぶ際は両者をよく比較検討することが大切です。
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