リテーナーが浮く理由とは?対処法や正しい装着方法を解説します

矯正期間が終了して、歯並びを維持するために装着するのがリテーナーです。ところがリテーナーを装着するときに浮く感覚がするといったトラブルに見舞われる場合があります。

今回はリテーナーが浮く理由や対処法、正しい装着方法を解説します。

この記事の結論

・リテーナーが浮く理由には、歯並びが後戻りを起こしている・正しく装着できていないなどがある

・リテーナーを装着したときに痛みがなく少し浮く程度の場合は装着を続けてよいが、浮いて装着できない場合は歯科医院に相談する

・リテーナーを装着期間は浮くこと以外にも、紛失する・装着したときに痛みが出るなどのトラブルが起こる可能性がある

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リテーナーが浮く理由

リテーナーは大きく分けて以下の3つのタイプに分かれます。

プレートタイプ 歯の表側を細いワイヤー、裏側からはプラスチックのプレートで保定する
マウスピースタイプ 歯全体を覆う透明なプラスチック製のマウスピースで保定する
ワイヤータイプ 前歯6本の裏側にワイヤーを接着して保定する

固定式であるワイヤータイプは歯科医院で接着剤を使って装着するため、脱落しない限りは浮く心配がほとんどありません。着脱式であるプレートタイプとマウスピースタイプは、管理方法や着脱方法によって浮く可能性があります。

リテーナーが浮く主な理由は以下の通りです。

  • 歯並びの後戻りが起きているため
  • リテーナーが正しく装着できていないため
  • リテーナーが変形しているため

歯並びの後戻りが起きているため

リテーナーを装着して浮いていると感じるときには、歯並びの後戻りが起きている場合があります。

矯正が終わり装置を外してしばらくは、骨や周囲組織が固まっておらず歯が不安定で動きやすい状態です。その時期は、歯が元の歯並びに戻ろうとする後戻りが起こりやすくなります。

矯正が終わった直後ではなくても、リテーナーを装着していない期間が長くなると後戻りが起こる可能性があるため注意してください。

リテーナーが正しく装着できていないため

リテーナーが正しく装着できていないと、浮いていると感じる場合があります。

リテーナーの装着に慣れていないと、正しく装着できずにしっかりとはまっていなかったり、一部分だけ浮いていたりすることがあります。リテーナーは鏡を見ながら、歯と装置の間に隙間ができないように装着しましょう。

リテーナーが変形しているため

リテーナーが何らかの原因で変形してしまうと、装着したときに浮いている感じがする場合があります。

マウスピースタイプのリテーナーの場合、歯ぎしりや食いしばりをしていたり、リテーナーを取り外したりするときなどに変形してしまう可能性があります。

変形したリテーナーをそのまま装着すると浮くだけではなく、適切な保定効果も得られません。

リテーナーが浮くときの対処法

リテーナーが浮くときは、まずはリテーナーがしっかりはまっているかを確認しましょう。

しっかりとはめているのに浮いている、はめようとしてもはまらないといった場合は、歯科医院に相談するなどして対処する必要があります。

リテーナーが浮くときに行う主な対処は、以下の通りです。

  • 痛みがなく少し浮く程度であれば装着を続ける
  • 浮いて装着できなければ歯科医院に相談する
  • 装着時間を厳守する

痛みがなく少し浮く程度であれば装着を続ける

リテーナーを装着したときに痛みがなく、少し浮く感じがするものの装着できるのであれば、歯科医師の指示通りの時間きちんと装着して様子を見てみましょう。

数日間は歯科医師の指示通りに装着し、リテーナーが浮かなくなれば装着を続けましょう。浮いている感じが改善しなかったり、浮きがひどくなったりしている場合は早めに歯科医師に相談してください。

リテーナーが変形していない場合は、多少歯が動いて後戻りを起こしていても、リテーナーを指示通りに装着することで矯正後の歯並びに誘導できる可能性があります。

ただし、リテーナーが浮く原因には、リテーナーの変形も考えられます。リテーナーの変形は目で見ただけでは分からないこともあるので、基本的には歯科医院に連絡して指示を仰ぐのが望ましいです。

浮いて装着できなければ歯科医院に相談する

リテーナーが装着できないほど浮いている場合は、早急に歯科医院に連絡しましょう。歯が後戻りを起こしていてリテーナーが合わなくなっている可能性があります。

リテーナーが変形していたり壊れていたりするときも、リテーナーが浮くことがあります。歯科医師に相談してリテーナーを確認してもらいましょう。

後戻りが進んでいるとリテーナーの作り直しが必要になる場合もあるため、この場合は早めの受診をおすすめします。

装着時間を厳守する

リテーナーの装着時間が短いと歯の後戻りが進み、リテーナーが浮いていると感じる場合があります。リテーナーが浮く原因である後戻りを防ぐためにも、歯科医師に指示された装着時間はきちんと守りましょう。

リテーナーが浮くのを防ぐ正しい着脱方法

リテーナーは正しく着脱しなければ、浮くなどの不具合が発生します。正しく装着してリテーナーが浮くのを防ぎましょう。

プレートタイプのリテーナーの着脱方法

着け方 1.装置全体を口の中に入れ位置を合わせる
2.プラスチック部分の前後左右を満遍なく押す
3.装置にがたつきや浮きがないかを確認する
外し方 1.奥歯にかかっているワイヤーに指を掛ける
2.両手でワイヤーをまっすぐ外す
注意点 《着けるとき》

  • 両手で着ける
  • ワイヤー部分を押して入れない
  • 噛んではめようとしない

《外すとき》

  • 両手で装置を掴んで外す
  • 片側や前歯のワイヤーだけを掴んではぎ取るのはNG

プレートタイプのリテーナーは、プラスチック部分とワイヤー部分があるのが特徴です。

不適切な着脱をすると、ワイヤーが曲がったりプラスチック部分にひびが入ったりすることがあるため注意しましょう。

マウスピースタイプのリテーナーの着脱方法

着け方 1.装置全体を口の中に入れて位置を合わせる
2.マウスピースの噛む面を前から奥に歯列に沿って押す
3.歯に隙間なくはまったかを確認する
外し方 1.奥歯の内側もしくは外側に指をかけて、奥歯を外す
2.奥歯から前方向に向かって外す
3.前歯部分を両手で持って外す
注意点 《着けるとき》

  • 両手で着ける
  • 噛んで入れない

《外すとき》

  • 両手で外す
  • 前歯の方から外さない

マウスピースタイプのリテーナーは、歯を覆う形状でプラスチックでできているのが特徴です。

不適切な着脱をすると、ひびが入ったり割れたりする可能性があるため注意しましょう。

リテーナーが浮くこと以外の矯正後のトラブル

リテーナーを装着する保定期間に起こるトラブルは、リテーナーが浮くことだけではありません。事前に理解してトラブルが起こらないよう対処しましょう。

リテーナーが浮くこと以外に起こりうる矯正後のトラブルは、以下の通りです。

  • リテーナーを紛失する
  • 装着したときに痛みが出る

リテーナーを紛失する

リテーナーを間違えて紛失するトラブルは多くあります。

紛失した理由は外出先で外したときに置き忘れた、ティッシュなどに包んで捨ててしまったなどです。リテーナーを外したあとは専用のケースに保管するなど紛失しないよう注意しましょう。

装着したときに痛みが出る

リテーナーを装着したときに痛みを感じるときは、歯並びが後戻りを起こしている可能性があります。

リテーナーが合っていない可能性が高いため、無理して装着せずに歯科医院に連絡して指示を仰ぎましょう。

リテーナーが浮くときは歯科医院に相談しましょう

リテーナーが浮くときは歯並びが後戻りを起こしている、リテーナーがはまっていないなどさまざまな理由が考えらえます。正しい装着方法で歯科医師に指示された装着時間を守り、リテーナーが浮くのを防ぎましょう。

リテーナーが浮いていると感じて不安なときは、歯科医院に相談してください。

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