軽度の受け口の治療法、軽度から重度まで症状の違いを解説します

受け口は、歯並びや噛み合わせの状態が良くない状態を指す不正咬合のひとつです。見た目に与える影響も大きいため、コンプレックスに感じる方が多い傾向にあります。

受け口は矯正治療の対象になることが多いですが、症状によって治療方法はさまざまです。受け口の症状が軽度であれば外科的治療を行うことなく、矯正治療などで歯並びが改善する可能性が高くなります。

今回は、軽度から重度までの受け口の特徴と、軽度の受け口の治療法を解説します。

この記事の結論

・受け口には症状や原因によって軽度から重度なものがあり、治療法が異なる

・軽度な受け口は歯や歯列の位置がずれているために起こり、矯正治療で歯の位置などを調整するだけで改善できることが多い

・軽度な受け口の主な治療法にはワイヤー矯正、マウスピース矯正、セラミック治療がある

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軽度から重度の受け口の症状の違い

通常の歯並びは咬み合わせたときに上の前歯が外側、下の前歯が内側になっています。しかし、受け口は噛み合わせが反対で、上の前歯よりも下の前歯が前に出ている歯並びです。

受け口と言っても症状はさまざまで、軽度な受け口と重度な受け口では症状、必要な治療や処置に大きな違いがあります。

受け口の症状と特徴は以下の通りです。

  • 軽度:歯や歯列の位置がずれが原因で起こる受け口
  • 中度:不正咬合が生じている受け口
  • 重度:顎骨の変形が生じている受け口

自分の受け口がどのレベルかは、最終的には歯科医院で診察・検査を行い、歯科医師に診断してもらう必要があります。

軽度の受け口|歯や歯列の位置がずれていることが特徴

比較的軽度な症状の受け口は、歯や歯列の位置がずれているために起こります。上下の顎のバランスには問題がないことが多いです。

症状は上の前歯が内側に生えている、下の前歯が外側に向かって斜めに生えているなどがあります。原因は遺伝、舌で下の前歯を押す、指しゃぶりなどの癖などです。

軽度の受け口であれば、矯正治療で歯の位置や傾きを調整するだけで改善できることが多いです。

中度の受け口|不正咬合が生じるのが特徴

中度の受け口は、歯並びだけでなく噛み合わせも悪くなっている状態です。

症状は、咬んだときに上下の前歯が先に当たってしまい奥歯が咬めないことなどがあります。奥歯を噛み合わせるためには、前歯が当たらないよう下顎を前に出して咬む必要があるのも特徴です。

原因は複数考えられますが、遺伝や指しゃぶり・口呼吸などの癖によって引き起こされます。

中度の受け口では、横から見たときに下顎が出ている感じがみられることが多いですが、歯並びと噛み合わせを整えることで改善できるため、矯正治療の対象となります。

重度の受け口|顎骨の形に原因があり顔の変形などの症状を示すのが特徴

重度の受け口は顎骨に原因があり、不正咬合や顔の変形などがある状態です。

下顎が大きくて下の前歯が上の前歯より前方に出ているなど、上下顎の大きさや位置のバランスが悪いことで受け口の症状が引き起こされます。

原因は複数考えられますが、遺伝的な要素が強い傾向があります。顔を横から見たときに下顎が著しく出っ張るような、受け口特有の顔貌がみられることもあります。

重度の受け口の場合は、患者の希望にもよりますが、抜歯や外科手術を伴う矯正治療を視野に入れて治療を進めます。

軽度の受け口の治療法

軽度の受け口は、以下の方法で歯の位置や傾きを改善することで改善できます。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正
  • セラミック治療

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正で歯を動かし、歯並びを整えることで受け口を改善します。

ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を着け、そこへワイヤーを通して正しい位置へ少しずつ動かしていく方法です。軽度な受け口だけでなく、中〜重度な受け口まで多くの症例に対応可能で、受け口の治療にも大きな効果を発揮します。

通院は一般的に月1回です。歯科医院でワイヤーを交換してもらうことで歯が動くので、歯科医師の指示通りに通院する必要があります。

また、ワイヤー矯正は目立つことが難点ですが、装置にはさまざまな素材や色の装置があり、セラミックやプラスチック製の透明や白の装置を選択する、歯の裏側に装置を着けるなどして、目立ちにくくすることも可能です。

マウスピース矯正

透明のマウスピースを装着して歯を動かし、受け口を改善します。

歯の表に着けるタイプのワイヤー矯正よりも圧倒的に目立ちにくく、取り外しが可能であるため、食事や歯磨きがしやすいのが特徴です。

マウスピース矯正システムにはたくさんのブランドがあり、それぞれで適応できる受け口の症状が異なります。抜歯や外科手術を伴うような重度受け口治療ができるマウスピース矯正ブランドは限られますが、軽度な受け口であれば適応できるマウスピース矯正ブランドも多いです。

ただし、歯科医師の治療方針によっては、同じマウスピース矯正ブランドでも適応外と判断されることがあるなど、歯科医院ごとに適応の可否が異なる場合があります。

セラミック治療

歯を削り、セラミック製の被せ物をすることで歯並びを整えます。受け口の症状が軽度であれば、セラミック治療によって改善することも可能です。

セラミック治療はワイヤー矯正やマウスピース矯正などとは異なり、自分の歯を動かさないので治療期間が短いのが特徴です。

ただし、健康な歯を大きく削るため、歯の寿命が短くなったり、歯の神経を抜かないといけなくなったりすることも考慮して選択しましょう。

費用は、被せ物の素材と歯の本数によって変わります。

被せ物に使われるセラミックには、樹脂が混ざっているものや金属が裏打ちしてあるものなど、強度や審美性の異なるものが多々あります。そのため、被せ物の素材によっては矯正治療で治すよりも費用が高くなることもあります。

また、セラミックは劣化や破損により交換が必要になることがあります。トラブルが起きたときの対処にも費用がかかるので注意しましょう。

軽度の受け口は矯正治療がおすすめ

受け口は、症状によって治療法が異なります。受け口の症状が軽度であれば抜歯や外科的治療をする必要がなく、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で改善できる場合が多いです。

受け口が気になっている方は、まずは歯科医院で自分の歯並びの状態や適した治療法などを診察・診断してもらいましょう。

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