矯正のゴムかけを早く終わらせるには?ゴムかけが必要な理由と留意点

ゴムかけ(顎間ゴム)を付けるのは「見た目があまりよくない」「お口が開閉しづらい」と言った具合に日常生活に支障が出てくるケースも考えられます。そのために、できるだけ短時間かつ短期間の装着で済ませたい方もいるでしょう。

矯正のゴムかけに大切なことは地道にコツコツと指示の通りに付け続けること、つまり「急がば回れ」なのです。今回は、なぜ矯正時のゴムかけは必要なのかといった点やゴムかけの装着期間の目安を解説します。

この記事の結論

・ゴムかけが必要な訳は、歯の噛み合わせを適切な位置へと合わせていくためなど

・留意すべき点は、少なくとも24時間以内にゴムを取り換えることなど

・ゴムかけの装着期間の多くは矯正期間中の数カ月間(2カ月〜3カ月)が多い

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矯正でゴムかけが必要な理由


ゴムかけ(顎間ゴム)に使用するゴムは「エラスティックゴム」とも呼ばれ、上顎と下顎に引っ掛けるアイテムです。エラステックゴムを使う時期は、噛み合わせのズレ具合や歯の移動様式によってさまざまです。

噛み合わせのズレが多い(歯を動かすために力が必要)場合は、比較的早い時期から使用しますが、歯がある程度動いたあと、具体的には歯並びがある程度整ってきた段階に始める場合は、そのほとんどが矯正治療の中盤から後半でおこなわれる処置です。

しかし、なぜあえてワイヤー矯正やマウスピースで歯並びを整えているのに、その上からゴムかけもしなければいけないのでしょうか?ゴムかけをする理由には、大きく分けて2つの目的があります。

  • 噛み合わせを整えるため
  • 歯の移動を補助的にお手伝いするため

噛み合わせを整えるため

上と下の歯の矯正器具にゴムをまたがい引っ掛けることで、ゴムの「引っ張り合う力」を巧みに利用し、歯の噛み合わせを適切な位置へと合わせていきます。

ワイヤー矯正など各種矯正法によって、ある程度きれいな歯並びになっていても「上下の歯に隙間が空いている」「しっかり噛み合っていない」などと言った具合に、噛み合わせまでは仕上がっていないことがあります。

そこで顎間ゴムを使い、ゴムの力で上下の歯で引っ張り合いをしながら、すこしずつ歯の隙間を埋めたり、上下の歯の噛み合いを緊密に仕上げたりする効果が得られます。

歯の移動を補助的にお手伝いするため

ゴムかけの効果は噛み合わせを整えるだけではなく、歯に加わる圧力や角度を細やかに調整しながら、出っ歯や受け口、開口といった歯並び・噛み合わせの乱れを目的に応じて整えてくれます。

たとえば受け口の方は目的の歯を、後ろに引っ張ったり、逆に出っ歯の方(上顎前突)は後方へ歯を引っ込めたりといった具合です。

ゴムかけ(顎間ゴム)を使うときの留意点


ワイヤーやマウスピースでは困難な処置も、顎間ゴムを併用すれば微妙な調整も円滑におこなえることがお判りいただけたことでしょう。

しかし、顎間ゴムは自分自身で取り付けるために、さまざまな注意点があります。例を挙げると、コツを習得するまでに練習が必要なことなどが挙げれます。

大別すると3つの留意点が挙げられます。

  • 必ず指示された箇所にゴムをかけること
  • ゴムは毎日取り替えること
  • 食事の際はゴムを外すこと

顎間ゴムは、地道な処置ながらも歯列矯正の仕上がりや治療期間にも大きく影響する大切な処置なので、ぜひ下記の留意点をご参考にしてください。

必ず指示された箇所にゴムをかけること

付け始めの慣れないうちは、鏡を見てしっかりとゴムかけする場所を確認しながら取り付けましょう。歯科医院によっては、ゴムかけ用の道具を渡されることがあるので、そういった補助的な器具を使うとスムーズに取り付けやすいです。

万一、ゴムかけの取り付け位置を誤ってしまうと思わぬ方向に歯が動いてしまい、せっかくの矯正治療計画が大幅に遅れてしまうことも考えられます。

顎間ゴムをかける場所や矯正器具によっては、ゴムを引っかけにくいこともありますが、その場合は決してそのまま放置しないようにしましょう。

歯科医院によっては引っ掛ける所を柔軟に仕様変更してくれるケースもありますので、まずはお問い合わせされることをおすすめします。

ゴムは毎日取り替えること

使用するゴムは使い捨てタイプですので、原則的に食事毎に交換し、24時間以内(少なくとも1日1回)に、就寝前などに新しいゴムに取り替えましょう。

ゴムの引っ張る力がなくなると、十分な効果が得られないばかりか、劣化によってゴムの力が低下するケースも考えられます。

また、ゴムが切れてしまったり、うっかりゴムを飲み込んでしまったりするケースも考えられますので、その際にスムーズに新しいゴムを付けられるよう、常にスペアのゴムは持ち歩かれるとよいでしょう。

食事の際はゴムを外すこと

食事中は、顎間ゴムをかけたままで食事を召し上がっても問題はないのですが、外れやすく、ゴムごと飲み込んでしまいがちです。

万が一飲み込んでも体外に排出されますので害ないのですが、やはり食事の際は面倒でも外されるのがベターです。

矯正のゴムかけの装着期間は2~3カ月


顎間ゴムを装着する期間は、歯列矯正期間のなかの数カ月(2カ月〜3カ月)が多いですが、装着時間が指示されていた時間よりも短かったり、無意識の癖が出たりする方も中にはいらっしゃいます。

その場合は当然ですが、上記の治療期間よりも長くかかるケースもあります。

ゴムかけに慣れるまでは、平均して1~2週間ほどといわれていますので、毎日コツコツと地道に続ければ、次第に違和感には慣れていきます。

矯正でゴムかけをサボったときのリスク

もし、何かしらの理由によってゴムかけをうっかり付け忘れてしまった際は、以下の2つのリスクが考えられます。

  • 矯正の仕上がりが悪くなる
  • 治療期間が延びる

矯正の仕上がりが悪くなる

歯科医師に指示された通りに使い続けないと治療期間が延びて、治療の仕上がりにも当然の話ですが影響が出てきます。

ちなみに、ゴムを適切な強さと処置で1か月間装着し続けると、歯は0.5~1mmほど動くといわれています。

治療期間が延びる

1日でもゴムかけをサボってしまうと、想定していたよりも歯の動きは悪くなり、治療が長引くことは想像に容易いでしょう。

また、歯列矯正治療そのものに悪影響を及ぼすこともあります。たとえば「噛み合わせのズレが残った」「前歯が思うように動かなかった」と言ったケースも少なくありません。

「どうしても日中のゴムかけができない」と言ったの場合は、まずは歯科医師にご相談ください。ゴムの種類の変更や装着時間を夜だけに変更するなど、ライフプランに合わせた提案をしてくれるはずです。

矯正のゴムかけの種類とそれぞれのかけ方


顎間ゴムの種類は以下4つに分けられます。

  • 2級ゴム
  • 3級ゴム
  • クロスゴム
  • 垂直ゴム

それぞれの方法について、詳しく解説します。

2級ゴム

上顎前突(出っ歯の方)に使用される方法で、この歯並びを改善するために上の前歯を後ろに引っ張るように、上の犬歯付近と下の第一大臼歯付近のフックにゴムをかけていきます。

3級ゴム

下顎前突(受け口の方)に使用され、下の歯を後方に引っ張るように、下の犬歯付近と上顎第一大臼歯付近のフックにゴムをかけていきます。

クロスゴム

上下の噛み合わせが左右にズレている状態(交叉咬合の方)の際に、上下の同じ歯の表側と裏側にクロスするようゴムをかけて、本来噛むべき面同士で噛み合せを作っていきます。

垂直ゴム

噛み合わせたときに上下の歯が噛みあっていない状態(開咬の方)の際に、下の歯に垂直にゴムをかけて縦方向に引っ張り合うことで噛み合わせを作っていきます。

まとめ

歯列矯正時のゴムかけは、歯の移動を補助的にお手伝いするために使用されることが多いということが分かりました。

ゴムかけの装着期間の目安は概ね2カ月~3カ月が多く、上顎前突の方や下顎前突の方など歯並びによってゴムかけの方法は違ってきますので、主治医の指示をよく聞いておきましょう。

ゴムかけに慣れるまでは個人差がありますが、概ね1~2週間程度かかりますので、地道ですが継続して取り組みましょう。

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