受け口を治療するための手術の種類は?保険適応も解説します

受け口の治療には矯正治療が必要ですが、症状によっては、矯正とともに顎の骨を切る手術が必要になる場合もあります。

今回は、受け口の手術に関して解説します。

この記事の結論

・受け口は、歯性・骨格性といった2種類のタイプに分かれる

・受け口を改善するために行う手術にはいくつかの種類がある

・顎変形症や先天性の病気などが原因で起こる受け口の場合は、手術も含めて矯正治療が保険適応になることがある

受け口のタイプによって手術が必要かどうかが分かれる

受け口とは噛み合わせが通常とは逆になっており、噛んだときに下の歯が上の歯よりも前方に出ている状態を指します。

受け口を特徴によって分類すると、大きく以下の2種類のタイプがあり、手術をする可能性も異なります。

  • 歯性の受け口
  • 骨格性の受け口

正確には歯科医師の診断が必要ですが、歯性の受け口は手術をする可能性が比較的少なく、骨格性の受け口は手術をする可能性が高いです。

手術の可能性が少ない|歯性の受け口

歯性の受け口とは、歯の位置や生える方向に問題がある受け口を指します。

歯性の受け口と診断された歯並びの多くは、骨格の問題は少ない傾向があるため、手術で顎の骨の大きさのバランスを整える処置をしなくても、十分に受け口を改善できる可能性が高いです。

歯性の受け口は上の前歯が内側に傾斜し、下の前歯が唇側に外向きに傾斜しているなどして、噛み合わせが逆になっています。

原因としては、幼少期に舌で前歯を押し出す癖があった、指しゃぶりが3歳以降も続いていた、口呼吸をしているといった悪習癖が多いです。

受け口の形に傾いた歯を治すには、矯正治療が必要です。歯性の受け口の治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正が用いられます。

症状によっては歯を動かすスペースを確保するために、抜歯や歯と歯の間を削るIPR(ディスキング)を行います。

手術の可能性がある|骨格性の受け口

骨格性の受け口とは、骨格に問題があり、上下の顎の大きさのバランスが悪かったり位置がずれていたりする状態を指します。

骨格性の受け口でも、上下のどちらの顎に発達の問題があったかによって、以下の2種類に分けられます。

  • 下顎前突症
  • 上顎後退症

受け口の改善には、上下の顎の大きさを整える必要がある場合が多く、手術を行う可能性があります。

下顎前突症

下顎前突症とは下顎の過度な発達により、上顎よりも下顎が大きくなって起こる受け口の症状です。

原因の多くは両親や祖父母などに下顎前突症の方がいるといった遺伝ですが、幼少期の悪習癖が原因になることもあります。

歯性の受け口と同様に、治療にはワイヤー矯正やマウスピース矯正が用いられます。

ただし、歯並びを動かすだけでは受け口の原因となっている下顎の大きさを改善できません。歯並びを整える治療に加えて、下顎を小さくするための手術が必要になります。

上顎後退症

上顎前突症とは上顎の成長が未熟で、下顎の成長に問題はなくても結果的に下顎が上顎よりも前方に出てしまった受け口を指します。

矯正治療のみで改善されない重度の上顎後退症は、上顎を前に出す外科的手術が行われることがあります。

受け口を治療するための手術の種類

受け口の手術は、診断の結果、歯を動かす矯正治療だけでは改善が見込めないと判断した場合や、顔貌を考慮して患者自身が希望した場合に行われます。

矯正による歯の移動に加えて、上下の顎のバランスを整えることで噛み合わせを確立し、受け口による印象や口腔機能の回復が目的です。

受け口のタイプによって、以下の手術から適したものが選択されます。

  • 下顎枝矢状分割法
  • 下顎枝垂直骨切術
  • 下顎前方歯槽部骨切術
  • ルフォーⅠ型骨切術

下顎枝矢状分割法

受け口の場合は、下の歯列全体と下顎の先端にあるオトガイ部を後方に移動させる手術です。

顎の矯正を目的とした外科的手術のなかでは適応される症例が多く、受け口以外の不正咬合にも用いられる方法です。

手術では、頬粘膜を切開し、下顎枝の外側と内側の骨を露出させます。下顎枝とは下顎骨のエラ部分から後ろの骨のことを指します。

下顎枝内側の骨皮質のみ水平に骨切りしたあとに、下歯槽神経を避けるように下顎枝前縁を矢状方向に骨切りします。術前に計画した位置に下顎を後方に移動させ、チタンプレートなどで固定して終了です。

下顎枝垂直骨切術

下顎枝垂直骨切術は、基本的に下顎枝矢状分割法と同じ術式で、下歯槽神経が浅い位置にある場合などに選択される手術です。

手術が比較的簡便であることから、多く用いられています。

下顎枝の外側と内側の骨を露出させ、下歯槽神経を避けた下顎枝の後方を垂直に骨切りして下顎を後方に移動させます。

チタンプレートなどを用いて、術前に計画した位置で固定して終了です。

下顎前方歯槽部骨切術

下顎前方歯槽部骨切術とは、一般的には第一小臼歯を抜歯して下顎の前歯部分を骨ごと後ろに移動させる手術法です。

手術が比較的容易であり、骨格性の下顎前突症での第一選択となることが多くあります。

下顎前方歯槽部骨切術では、粘膜を切開したあとに、両側の第一小臼歯部の歯槽骨を削り抜歯します。

抜歯した部分の歯槽骨を垂直に骨切りしたら下顎を後方に移動させ、チタンプレートなどを用いて、術前に計画した位置で固定して終了です。

下顎前方歯槽部骨切術のみだとオトガイ部の突出が残るため、場合によってはオトガイ形成術を併用します。

オトガイ形成術とはオトガイ部の骨を水平に骨切りして、顎骨の長さを短くする手術法です。

ルフォーⅠ型骨切術

ルフォーⅠ型骨切術とは、上顎の骨切りで骨を前後に移動させる手術です。上顎後退症に適応されることが多いです。

上顎骨を鼻の高さの位置で骨切りし、上顎骨を前方に移動させることで改善を図ります。

受け口の手術で保険適応になる症状と条件

矯正治療は通常、保険適応外となりますが、受け口の症状や診断内容によっては、保険が適応される場合があります。

保険適応には、顎変形症と病名がつくこと、指定医療機関で治療を受けること、受け口の原因に厚生労働省の指定する先天性疾患が関係しているなどの条件があります。

また、矯正装置は歯の表側にワイヤーを着けるものに限られるため、歯の裏側にワイヤーを着ける方法やマウスピース矯正を使用する場合は、保険適用の条件に該当していても100%自費治療となります。

保険適応になる受け口の症状

手術を用いた受け口の矯正治療が保険適応になる症状は以下の通りです。

  • 顎変形症
  • 口唇口蓋裂などの厚生労働大臣が定めた先天性の病気や異常が原因で起こる受け口
  • 前歯3本以上の永久歯が生えずに、噛み合わせに異常をきたしているもの

顎変形症

顎変形症と診断されると、外科的手術および手術前後に行う矯正治療に保険が適応されます。

顎変形症とは、顎骨の大きさ・形に問題があることで噛み合わせに異常があったり顔にゆがみが生じたりする症状を指します。

口唇口蓋裂などの厚生労働大臣が定めた先天性の病気や異常が原因で起こる受け口

口唇口蓋裂、そのほかの厚生労働大臣が定めた先天性の病気や異常が原因で受け口になっていると診断された場合、外科的手術および手術前後に行う矯正治療に保険が適応されます。

口唇口蓋裂とは先天性疾患で、生まれつき唇や上顎の骨が結合していない症状を指します。

厚生労働大臣によって定められた先天性疾患は、いずれも歯列や噛み合わせにしばしば異常が見られます。

前歯3本以上の永久歯が生えずに、噛み合わせに異常をきたしているもの

顎の骨の中にある前歯が3本以上生えてこないことが原因で受け口になっている場合は、保険適応の可能性があります。

ただし、歯を生やすために歯茎を切る外科処置(埋伏歯開窓術)が必要なものに限ります。

保険適応になる条件

保険適応になるには、以下のような条件が必要です。受け口の状態が保険適応になる症状であるかは、歯科医師に相談してみましょう。

症状 保険適応になる条件
顎変形症
  • 顎口腔機能診断料算定が認められた医療機関で治療を受けること
  • 外科的手術が必要であること
口唇口蓋裂などの厚生労働大臣が定めた先天的な病気や異常が原因で起こる受け口
  • 歯科矯正診断料算定が認められた医療機関で治療を受けること
  • 厚生労働大臣が認めた先天性疾患や異常であること
前歯3本以上の永久歯が生えずに噛み合わせに異常をきたしているもの
  • 歯科矯正診断料算定が認められた医療機関で治療を受けること
  • 前歯を生やすために歯茎を切る処置(埋伏歯開窓術)が必要であること

受け口の手術が必要であるかは歯科医師に診断してもらいましょう

受け口の症状によっては、顎の骨を切る手術が必要になることがあります。

手術の種類もさまざまあり、手術が必要な受け口は保険適応になる場合もあるため、まずは歯科医院で診察・診断してもらうことが大切です。

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