受け口は早期治療が大切!受け口の原因や年齢に合わせた治療法を解説 - SmileTeeth(スマイルティース)

受け口は早期治療が大切!受け口の原因や年齢に合わせた治療法を解説

受け口は、歯並びや噛み合わせの状態が悪い症状を指す不正咬合のひとつです。同じ不正咬合である出っ歯や、ガタガタした歯並びを指す叢生などと並んで、矯正治療の対象になることが多いです。

今回は、受け口の原因や年齢ごとの矯正方法を解説します。

この記事の結論

・受け口の主な原因は、遺伝・骨格・悪習癖などが挙げられる

・受け口は成長とともに悪化する可能性があるため、早期治療が重要である

・受け口は年齢や成長によって対応策が異なる場合がある

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受け口の原因

受け口とは噛み合わせが通常とは逆になっており、基本的には噛んだときに下の歯が上の歯よりも前に出ている状態を指します。歯科用語では反対咬合・下顎前突と呼ばれています。

受け口の原因には以下のようなものがあります。

  • 遺伝によるもの
  • 骨格のバランスの悪さによるもの
  • 悪習癖によるもの

遺伝によるもの

両親や祖父母が受け口であると子供が受け口になる可能性があるなど、歯並びには遺伝的要素が関係することがあります。

受け口は不正咬合の中でも遺伝する確率が高いです。受け口の兆候が現れ始める時期は人によって異なるため、遺伝的に受け口になる傾向がある場合は注意して観察しましょう。

遺伝が原因の場合はとくに、幼少期に受け口を矯正で改善したとしても、成長期に下顎が成長して受け口の状態に戻る場合もあります。成長がある程度止まる時期まで、治療の継続や経過観察が必要になることが多いです。

骨格のバランスの悪さによるもの

上顎と下顎の成長に差があり、上下の顎の大きさのバランスが崩れると、骨格的な受け口になることがあります。

上顎と下顎の成長の差とは、以下のようなことを指します。

  • 上顎に対して下顎の成長が大きい
  • 下顎に対して上顎の成長が小さい

どちらも結果的に下顎が上顎よりも前に出て、受け口になります。

悪習癖によるもの

口呼吸や3歳を過ぎてからの指しゃぶり、舌を前に押し出したり、下顎を前に出したりする悪習癖によって受け口になる場合があります。

人間は鼻で呼吸をするのが基本ですが、口で呼吸する癖がある場合は舌の位置や口周りの筋肉のバランスによって受け口を誘発する可能性があります。

舌の位置は本来ならば上の前歯の裏側に付いている状態が理想です。しかし、口呼吸をしていると舌の位置が不安定になって、舌を前に押し出す癖がつくことがあります。

舌を前に押し出すような癖があるときは、舌によって下の前歯が押し出されて、受け口の噛み合わせになる場合があります。

指しゃぶりも同様に、指に吸い付くときの圧が歯の向きに影響を与えて、受け口の噛み合わせを誘発することがあります。

受け口は早期治療が大切

受け口にはさまざまな原因があります。いずれも幼少期に対処すると成長の過程で受け口になる可能性や悪化を少しでも予防できる可能性があるため、早期に治療することが望まれます。

受け口は顎の骨の発育とともに悪化する傾向があります。放置することで、将来的に咀嚼機能や発音などに弊害が生じる場合もあるため、注意しましょう。

受け口は成長とともに悪化する傾向がある

受け口は成長とともに下顎が発達して悪化することが多いため、幼少期のうちに成長を利用した矯正治療を視野に入れるのがおすすめです。

受け口は、一般的に乳歯が生え揃う3歳ころから受け口の兆候が見え始めます。

2歳くらいまでの反対咬合であれば自然に治る場合もありますが、3歳を過ぎても受け口の傾向があるときは、自然治癒する確率は低くなります。

受け口の治療の種類によっては幼児期にしか行えないものもあるため、遺伝的要因が考えられる・悪習癖があるなど、受け口の可能性が気になる場合は、矯正専門の歯科医院で相談してみましょう。

受け口を放置すると弊害が生じる可能性もある

受け口を放置すると、将来的に以下のような弊害が生じる場合があります。

  • 咀嚼機能の低下
  • 顎関節への負担
  • 発音障害

受け口のように噛み合わせが悪いと、噛んだときに歯や顎に負担がかかりやすいです。そのため、噛み合わせの悪さは咀嚼機能の低下・顎関節への負担が懸念されます。

また、受け口であることで上下の歯の間に隙間ができ、サ行やタ行の発音が難しくなることもあります。

年齢や成長によって異なる受け口の治療法

身体の成長とともに、下顎も成長します。そのため、受け口の治療には症状と年齢や成長に応じた対策が求められます。

  • 3~5歳前後|マウスピース型矯正装置で悪習癖を改善
  • 6~10歳前後|上顎前方牽引装置で上顎の成長を促す
  • 11歳前後|チンキャップで下顎の成長を抑制
  • 14歳以降|ワイヤー矯正・マウスピース矯正で治療

3~5歳前後|マウスピース型矯正装置で悪習癖を改善

3〜5歳前後の反対咬合は、遺伝的要素のほかに、舌の位置や使い方が原因になっていることが多いです。

まだ乳歯しかない段階で、顎の成長が続く年代のため、この年代の受け口治療では、ムーシールドやプレオルソといった名称のマウスピース型装置で、受け口の原因となる悪習癖を改善するための治療がメインとなります。

これらの装置を総称して「口腔機能訓練装置」と呼び、ほかにもさまざまな種類の装置があります。

決められた方法で装着することで、舌の位置を改善して口の周りの筋肉を鍛え、受け口の原因となる舌癖の改善や鼻呼吸への誘導を目標とします。

装着するのは夜間就寝時がメインとなるため、食事や歯磨きにほぼ影響がないのが特徴です。

6~10歳前後|上顎前方牽引装置で上顎の成長を促す

6〜10歳ころの受け口の治療では、上顎の成長を促す上顎前方牽引装置で治療を行う場合があります。上顎の成長を促し、受け口の改善を図るのが目的です。

上顎前方牽引装置は、1日に10時間ほど、夜間就寝時に装着します。固定源として額と顎にパッドがついたフェイシャルマスクと歯をゴムで連結し、ゴムの力を利用して上顎を前に引っ張る仕組みです。

11歳前後|チンキャップで下顎の成長を抑制

11歳ごろになると上顎の成長が終わり、下顎の成長へとシフトチェンジします。

そのため、このころからの受け口の治療では、チンキャップと呼ばれる装置を装着して、下顎の成長を抑制する治療を行う可能性があります。

チンキャップは顎先のオトガイ部にキャップ状のチンキャップをつけ、頭にはヘッドキャップを被る装置です。チンキャップとヘッドキャップの間を繋ぐゴムの力を利用して、下顎の成長抑制を目指します。

在宅時や就寝時に、1日10時間ほど装着します。

14歳以降|ワイヤー矯正・マウスピース矯正で治療

すべての永久歯が生え揃う14歳ごろに受け口の症状が残っていたり、歯並びが気になったりする場合は、ワイヤー矯正かマウスピース矯正で治療を行います。

ワイヤー矯正は、軽度から重度の受け口まで幅広く対応できるのが特徴です。マウスピース矯正は、マウスピース矯正ブランドや歯科医師の方針によって、重度症例に適応できる場合とできない場合があります。

ワイヤー矯正・マウスピース矯正ともに、歯を並べるスペースの確保のために抜歯や歯の側面を薄く削る処置を行なったり、骨格的な問題を改善するために外科的処置が必要になったりする可能性があります。

受け口は年齢と顎の成長に合わせて対処しましょう

受け口は成長が進むほど治療が難しくなるため、早期治療が効果的です。年齢と顎の成長に合わせて対処しましょう。

まずは受け口の症状を確認するためにも、矯正専門の歯科医院の診察を受けてみてください。

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