出っ歯とは歯科用語で「上顎前突」といわれ、上あごや上の前歯が前に突出している状態です。見た目だけではなく、かみ合わせに影響がでたり口呼吸になるなどの不具合が生じます。
出っ歯には種類があり、その種類にあった治療法を選ぶことが重要です。
・出っ歯は歯の傾斜が原因でなる歯性と、あご骨の位置が原因でなる骨格性の2種類にわかれる
・歯性の出っ歯の治療法はセラミック審美歯科法、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、インプラント矯正の4種類
・骨格性の出っ歯の治療は外科的手術が必要になる場合がある
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出っ歯は大きく分けて2種類
出っ歯は原因によって大きく2種類に分けられます。しかし、2種類が混合している場合もあるので、歯科医院で正しい診断を受けましょう。
歯性の上顎前突|前歯が傾きすぎている
上の前歯が前方に大きく傾いている場合をいいます。または、上と下の前歯が両方傾いている場合もあります。歯の傾斜からなる出っ歯は幼いころの指しゃぶりや、舌で前歯を押すといった悪習癖にもとづいてなるといわれています。
歯が傾斜していて唇がめくれてしまうので、口が閉じづらく口呼吸になってしまいます。口呼吸は口の中の乾燥や口臭、口の中の細菌の増殖によりむし歯や歯周病リスクが高まる原因になります。
骨格性の上顎前突|下顎より上顎が前に出ている
上あごの過成長により大きさが下あごに比べて大きく前に突出している場合をいいます。または下あごが成長不足で上あごに比べて小さく後退している場合もあります。上あごが突出していて、下あごが後退していることもあります。骨格が原因でなる出っ歯は遺伝的要因が大きいといわれています。
骨格性の出っ歯も歯性の場合と同じく、口が閉じづらく口呼吸になりやすいです。また、特に下あごが後退している場合は顎関節に負担がかかりやすく、顎関節症を引き起こすことがあります。
それぞれの出っ歯の治療法
出っ歯は原因によって2種類にわかれることを解説しましたが、出っ歯の種類によって治療法は異なります。まずは、出っ歯の原因が歯性なのか骨格性なのか診断してもらったうえで、治療法を選択します。
歯性の場合
出っ歯の原因である傾斜した歯を正常な向きにする治療法は4種類あります。
- セラミック審美歯科法
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
- インプラント矯正
歯の傾きが大きい場合には適応にならないこともあります。
歯を移動させるスペースを確保するため、抜歯が必要になる場合があります。
マウスピースは取り外し可能ですが、装着時間を決めたり外しているときの保管など自分で管理する必要があります。
固定源になるネジのようなものを埋め込むため、麻酔をしての処置があります。
まずは歯科医院でカウンセリングや検査を行い、治療を選択します。
骨格性の場合
骨格に原因がある出っ歯は、矯正治療の他に外科的手術が必要な場合があります。また、成長期である小児のときに治療を始めることで効果的に矯正することができます。
歯性と同じ矯正治療
基本的には
セラミック審美歯科法は歯の傾斜を改善することはできますが、上あごの位置を移動することはできません。矯正後のよい結果が得られないため、選択されない場合が多いです。
外科的手術
上あごの過成長が原因で矯正治療だけでは難しいと診断された場合は、上あごの骨を一部切り後方に引っ込める手術が行われます。
外科的手術と矯正治療を組み合わせて行うことで、大きな効果が期待できます。
あごの成長をコントロールする治療
そうすることで、上下のあごのバランスが整った、理想的な歯並びやかみ合わせにすることができます。
成長期に治療を行うことで、あごの成長をある程度コントロールすることができます。成長期の治療であごの成長がコントロールできれば、将来外科的手術をしなければならないリスクを軽減できると考えられます。
上あごの過度の成長を抑制するための治療は、ヘッドギアとよばれる装置をつかうものがあります。上あごの骨の成長を抑制し、下あごとのバランスを整えます。
下あごの成長が不十分で出っ歯だという場合は、バイオネーターやアクチバートルと呼ばれる装置をつかいます。下あごの成長を促し、正しいかみ合わせの位置に誘導します。
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