マウスピース矯正を
検討されている皆様へ

これから矯正を始める方は矯正方法を選ぶ際に後悔しないための参考として見てください。
最近、続々と出てきている流行りの安価なマウスピース矯正を検討してる方は特に要注意です。

マウスピース矯正には
適応範囲があります

マウスピース矯正は、歯並びに問題がある全ての人が選択できる方法ではありません。

マウスピースで移動させる歯の方向には得意な動きと不得意な動きがあるからです。

比較的、軽度な症例には適していますが、複雑な歯の移動には向いていない場合があります。
例えば、以前ブラケットとワイヤーで矯正したことがあって、その後保定(リテーナー)をきちんとせずに後戻りしてしまった方や、前歯の傾きやねじれが少し気になるけど、ブラケットをつけないで治せないかなと考えている方には比較的マッチすると思います。

マウスピース矯正で
移動できる歯は

マウスピース矯正で歯の移動可能な範囲は主にレベル1~レベル2です。

レベル1

犬歯から犬歯の前歯間での移動

レベル1

レベル2

小臼歯から小臼歯(一般的に5番目の歯)の間での移動

レベル2

レベル3

奥歯を含めた全部の歯の移動

レベル3

レベル4

事前に他の矯正装置での治療が
必要な場合

①必要とする歯の移動距離が大きく、マウスピース矯正では対応できずワイヤー矯正等が必要となるケース

②骨格的な問題を伴っており、外科的な矯正が必要となるケース

・上顎前突や下顎前突
・上顎劣成長や下顎劣成長
・ディープバイト
・オープンバイト
・大きすぎるオーバージェット前歯の先端が噛み合わず、前後的に距離が離れている状態

インビザラインに関してはレベル3も可能な場合もあります。
歯を動かすには、歯を動かすための場所(スペース)を作らなければなりません。
方法としては、IPR(ディスキング)と言って、歯の幅を0.1mm~0.3mm程度やすりの様なもので磨いて調整することで全体の歯に隙間を作ることで歯の移動スペースを作ることが出来ます。又は歯の並んでいるアーチを広げて拡大して隙間を作るかの何れかになります。

それぞれの商品によって、歯を動かすことのできるレベルや特徴の違いを理解した上で、自分に適した矯正方法を選択していただければと思います。

マウスピース矯正の
仕上がりは
ドクター次第です!

最近流行りのマウスピース矯正は、矯正歯科医のみならず一般診療(GP)のドクターの参入も多く、矯正に対する知識レベルや経験値に差があります。

経験値の高いドクターは応用力もあり、様々な状況の変化にも対応でき、目標とした結果を出すことが可能です。

一般診療(GP)のプロフェッショナルのドクターのメリットは、虫歯や歯周病がある場合の対応が速やかに行えること。また、咬み合わせやそれに付随する微調整に長けていることなどがあげられます。

商品によって、個々のドクターがシミュレーションを作成するものもありますが、商品の多くは矯正のプロフェッショナルのチームにより膨大なデータを基に監修及びシミュレーションを行います。
ですので、一般診療のドクターがマウスピース矯正を取り入れることが可能となっているのです。

マウスピースを使用した矯正は、はじめの診査・診断がとても大切でシミュレーションの出来不出来によっては、望んだ結果が得られないこともありますので、信頼できるドクターを見つけることが何よりも大切です。

費用と時間をかけて、自分の歯並びに対して行う事なので、しっかり吟味してより良い結果が得られるようにしましょう。
ご自身が、どのような歯並びになりたいか、 マウスピース矯正によってあなたが望んだ結果が得られるのかがとても大切です。

安くて通院の少ない
マウスピース矯正は
大丈夫なの?

マウスピース矯正の初めの段階で、いきなりマウスピースを複数枚、或いは全部渡してしまう矯正プロセスには大きなリスクがあります。

商品によってはマーケティングばかりが先行して、様々な売り文句を掲げているものもあります。通院しなくて良いとか、1枚○○円から等々

どれも、患者様に寄り添ったもので、きちんと結果が出るものであれば良いのですが・・・

シミュレーション通りに進むこともありますが、多くはマウスピースが割れたり折れたりひびが入ったり等の破損をしてしまったり、装着時間が十分でなかったり、しっかりマウスピースを使用していたにもかかわらず、微妙な誤差により、少しずつずれてしまい思うように予定通りに動かない部位が出来てしまうことがあります。。

ステップごとにしっかりとドクターに状況をチェックしてもらいながら、一歩一歩 協力して進めていくことが、ちゃんとした結果をだすためには望ましいと思います。

比較的安価な欧米発信の商品の注意点としては、東洋人・日本人は顎の大きさに対して、個々の歯が大きめの傾向(巨大歯)がありますので、その点をきちんと加味したシミュレーションができるか否かがとても重要になってきます。

マウスピース矯正をスタートする最初の金額が安くてお試しが出来たとしても、歯並びがきれいになるわけではない。 結果の出ないことに出費をすることになる。 結果的に総額が思っているよりかさんでしまったなどという事も起こりかねません。

マウスピース矯正には
どんなリスクがあるの?

最近、SNSなどでも マウスピース矯正に対するリスクコメントは少なくないと思います。
マウスピース矯正に限らず、通常のブラケットを使用した矯正にも通じますが、

・歯並びは綺麗になったけど、きちんと咬むことが出来なくなり食事が楽しくできない
・シュミレーションや力のかけ方が悪く歯に対して必要以上の負荷がかかることで歯の変色が起きて神経が死んでしまったりあるいはその1歩手前の状況になってしまったり
・歯周病や虫歯が悪化してしまった
・顎関節症になってしまった
・望んでいたような結果が得られない


などという症例が実際に起きています。歯が綺麗に並ぶだけでなく、咬み合わせが悪ければ大問題です。
そのためにも、ドクターと協力しながら確実に進めていくことをお勧めします。
マウスピース矯正やワイヤー矯正を始めたいと思っている方は、ある程度の知識と意識を高め賢い消費者になることが必要です。